NHKラジオの人気情報番組「マイあさ!」で、地元の旬のネタをご紹介する仕事をさせていただいています。
8月15日の朝は、「ユニークな「食べる藍」研究」というタイトルで、「藍」のユニークな一面をご紹介させていただきました。
染色の材料として知られる藍染めの 「藍」。じつは徳島県では「食べる藍」の研究も進んでいます。
注目される理由のひとつは、その機能性。藍染の染料としてのイメージが強い藍ですが、実は、かつては漢方のように利用されていた歴史があります。藍の町として栄えた徳島県には古くから「藍商人は病気知らず」という言葉が伝えられており、藍は解熱、解毒、食あたりなどに効果があると信じられていたそうなんですね。
そこで食用としての藍の研究に着手したのが、保健学博士で管理栄養士の近藤真紀(こんどう・まき)先生。近藤先生は四国大学で長年教鞭をとってらっしゃった方で、2016年から阿波藍(あわあい)の機能性成分に関する研究に従事し、安全性、機能性、味、調理法などを多角的に研究してこられました。その研究によって「食べる藍」がもつ秘密のパワーが、いろいろわかってきたんです。
研究成果の一つは、糖尿病をはじめとした生活習慣病を予防する機能性表示食品としての可能性。こうした研究活動を通じて、厚生労働省からも藍の葉と茎を食用として利用することが正式に認可されました。また、機能が解明されたのは葉や種子だけでなく、通常は廃棄される藍の茎の部分も。近藤先生が藍の茎を新たに調べたところ、腸内細菌の改善や免疫力アップの効果が認められたとのことでした。
番組では、こうした研究成果と共に「食べる藍」がもつ可能性についてお伝えしました。
近い将来、健康にいい藍の「スパイス」や「ふりかけ」が食卓に登場するかもしれません。